研究紹介

研究紹介

神経グループ

小児神経疾患に関係する研究を、多くのスタッフで進めています。

  •  1.熱性けいれんの遺伝要因についての研究
  •  2.てんかんと発達障害に関する臨床研究
  •  3.神経線維腫症1型の中枢神経合併症に関する研究
  •  4.神経線維腫症2型の治療に関する研究
  •  5.けいれん重積型急性脳症(二相性脳症)の発症予防、治療に関する研究
  •  6.もやもや病の発症病態に関する研究
  •  7.疾患特異的iPS細胞を用いた病態解析
  •  8.ニーマンピック病C型のシクロデキストリン療法
  •  9.注意欠如多動性障害に伴う排尿異常に関する研究
  • 10.自閉症スペクトラムの早期診断・療育に関する研究
  • 11.先天異常でのエピジェネティクスの影響

循環器グループ

循環器グループでは臨床症例の診療を基本に、それに関連した研究を行っています。なかでも川崎病は、未だ原因・病気のメカニズムなど不明な点が多い疾患です。我々は、この疾患にの原因の検索を行うと共に、この病気の炎症を明らかにするため、有用な炎症マーカーの検討を行っています。

内分泌グループ

  • 1.若年発症長期慢性疾患の治療アドヒアランス改善に関する研究
  • 2.慢性疾患に対する合理的配慮のあり方に関する研究

 

以上の2点について主に研究を行っています。

リウマチグループ

破骨細胞分化におけるIL-15の役割について研究をしています。
(A novel role of IL-15 in the development of osteoclasts: inability to replace its activity with IL-2.)

アレルギーグループ

1.皮膚のかゆみや炎症における皮膚ケラチノサイトが産生するメディエーターについて

2.気道炎症における気道上皮細胞の役割の解明などの基礎的研究に加え、

3.アナフィラキシーへの対応の疫学的調査

4.乳児喘鳴児における免疫反応の検討

などの臨床研究を平行しながら行っています。

血液グループ

診療

貧血などの血液の病気をはじめ、白血病や脳腫瘍などの小児がんの診療を行っています。当院は、日本小児白血病リンパ腫研究会(JPLSG)の認定施設であり、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫、脳腫瘍などの小児がんすべての治療を行っています。小児がんは非常に多岐にわたり、決して数は多くありません。もっとも多い急性リンパ性白血病でも国内で年間500~600人の発症です。国内でこれまでに数例しか報告のないような疾患に遭遇することも決して珍しくありません。当院でも、毎年、十数名程度の新患患者さんが入院され、化学療法を主体とする治療を行っています。私たちは、そういった希少疾患の克服を目指して、多施設共同研究の臨床試験を行うなど、全国の多施設とも協力しながら日々の診療に従事しています。難治性の症例では血縁間骨髄移植や自家末梢血幹細胞移植も行っており、必要に応じて、非血縁間同種造血細胞移植が可能な施設(骨髄バンク認定施設)で非血縁間同種造血細胞移植を行うこともあります。小児がんの治療は非常に進歩し、「不治の病」ではなく、「克服できる病気」になりました。80%以上の子供たちが、病気を克服して、社会復帰していきます。化学療法や造血幹細胞移植技術の進歩、新薬の開発、制吐剤やG-CSF(白血球増加因子)、新しい抗生剤や抗真菌剤の開発がその大きな要因ですが、感染症がまったく予防できるわけではなく、感染症との戦いは続いています。また、それでもまだ治りにくい小児がんも存在します。今後は、さらに多くの患者さんが、より質のよい治療後の生活をみんなが送れるように、治療法の更なる向上を目指しています。

研究

・日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)における小児血液腫瘍性疾患を対象とした前方視的研究 (JPLSG-CHM-14)

・乳児期発症の急性リンパ性白血病に対するリスク層別化治療の有効性に関する多施設共同第Ⅱ相臨床試験(MLL-10)

・一過性骨髄異常増殖症(TAM)に対する多施設共同観察研究(TAM-10)

・若年性骨髄単球性白血病(JMML)に対する静注用Bu + Flu + L-PAM前処置法による同種造血幹細胞移植第II相臨床試験(JMML-11)

・小児および若年成人におけるT細胞性急性リンパ性白血病に対する多施設共同第II相臨床試験(ALL-T11)

・ダウン症候群に発症した小児急性骨髄性白血病の微小残存病変検索の実施可能性とその有用性を探索するパイロット試験(AML-D11)

・小児ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)に対するリスク別臨床研究(LCH-12)

・小児B前駆細胞性急性リンパ性白血病に対する多施設共同第II相および第III相臨床試験(ALL-B12)

・小児フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)に対する チロシンキナーゼ阻害剤併用化学療法の第II相臨床試験(ALL-Ph13)

・小児急性骨髄性白血病を対象とした初回寛解導入療法におけるシタラビン投与法についてランダム化比較検討、および寛解導入後早期の微小残存病変の意義を検討する多施設共同シームレス第II-III相臨床試験(AML-12)

・International Study for Treatment of Standard Risk Childhood Relapsed ALL 2010(IntReALL 2010)

・小児急性前骨髄球性白血病に対する多施設共同第II相臨床試験(AML-P13)

など

腎泌尿器グループ

1.多施設共同臨床研究に積極的に参加し、エビデンスを作ることで、広く貢献できる医療を目指しています。以下のような臨床研究を行っています。

①アルポート症候群患者を対象としたバルドキソロンメチルの有効性および安全性を検討する第2/3相試験

②小児期発症のネフローゼ症候群に対するIDEC-C2B8の多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化並行群間比較試験

③小児期発症難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を対象としたIDEC-C2B8とステロイドパルス療法の併用療法の多施設共同単群臨床試験

④初発寛解後早期に再発する小児ステロイド感受性ネフローゼ症候群患者を対象とした標準治療(再発時プレドニゾロン治療)と標準治療+高用量ミゾリビン併用治療の多施設共同オープンランダム化比較試験(JSKDC05):特定臨床研究

⑤頻回再発型小児ネフローゼ症候群を対象としたタクロリムス治療とシクロスポリン治療の多施設共同非盲検ランダム化比較試験(JSKDC06)

⑥ミトコンドリア病関連腎疾患の全国調査:オプトアウトにて研究を実施しています。研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。ミトコンドリア全国調査PDF

2.基礎研究は、主に腎泌尿器疾患に関連する遺伝子について研究を行っています。「研究室」のページをご覧ください。

3.教育については、学生や研修医、後期研修医の皆さんには、腎臓内科や泌尿器科と行っていますカンファレンスや研究会に参加していただき、専門領域や対象年齢が広い「小児腎専門医療」を理解していただくようにしています。

消化器・肝臓 先天代謝異常グループ

1.臨床について

胃・小腸・大腸から直腸肛門に至る消化管全般の疾患と、肝胆道・膵疾患の診断治療を行います。小児科各専門領域の先生や好生館小児外科とも協力しながら診療にあたっています。消化管診断では、造影検査、超音波検査、上部・下部内視鏡検査、食道pHモニタリング検査、肝胆道疾患では肝生検、ERCP検査などを行います。治療では、薬物治療、内視鏡治療(止血処置、異物除去、ポリペクトミー、静脈瘤処置)、その他入院患者での栄養管理等を得意分野としています。特に肝臓分野では原因不明の肝機能障害や胆汁うっ滞性肝疾患については、全国のこの分野の先生達と協力し遺伝子診断等も含めて診断していきます。また肝機能障害・肝腫大を呈する患者さんから先天代謝異常症のお子さんがみつかることもあります。

2.研究について

研究基盤を確立するために競争的資金獲得を積極的に行いながら、多くの臨床研究を始めています。対象疾患は稀少疾患が多いこともあり動物実験などの基礎研究にも力を入れていく方針です。他グループとも連携し佐賀から新知見を発信できることを目標としています。

3.教育について

学生のみならず研修医の教育に力をいれ、若手の先生からこの分野に興味を持つ先生の育成を目指しています。久留米大学小児科との定期的カンファレンスを開始しました。近い将来に九州小児消化器・肝臓研究会を開催することを目指しており、他大学との積極的かかわりを持つようにしています。学会発表・論文作成も積極的に行うようにしています。

4.これまでの実績では、平成26年4月~11月(8か月間)において胃カメラ9例、大腸カメラ5例、肝生検5例を行いました。

 

5.小児B型・C型肝炎診療マニュアル(第1版)に掲載しております付録資料です。各自ダウンロードして使用ください。

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