診療・研究グループ、研究室紹介
| アレルギー・グループ |
| 稲田由紀子 |
アレルギーグループは現在15名在籍しています。大学には浜崎雄平教授、山本修一、在津正文、人見会美子が診療にあたり、室英理子は教育担当助教として3月まで活躍して、現在は臨床協力医として、外来診療を行っています。さらに、大学の救急部では講師として人見知洋、助教に辻功介が在籍し佐賀県の小児救急の中核として積極的に活動しています。大学外では、佐賀県立病院好生館部長として市丸智浩、整肢学園では小林育子、梁井啓輔が勤務しています。大学の研究室では、大学院生として西奈津子、谷口一登(分子生命科学講座)、研究生として稲田由紀子が在籍し、宮崎倫子は育児休暇中です。また今年は稲田成安が7月に小城市三日月町にいなだ小児科・アレルギー科を開業し、積極的にアレルギー診療を行っています。さらに秋に小林育子が学位を取得、西奈津子は8月に論文が受理され、12月に学位審査が行われました。 診療について 研究について |
| 血液・腫瘍グループ |
| 西眞範 |
血液腫瘍グループは、石井榮一先生の愛媛大学教授就任から2年が過ぎ、できることから少しずつではありますが、グループを盛り上げていこうと、今年も成鳥目指して頑張っております。 2.研究 3.最後に 教室内で一番若いグループではありますが、佐賀医療圏の血液疾患の「なんでも屋さん」として、診断・治療にあたっております。なるべく多くのことを発信し、症例のフィードバックもしていきたいと考えておりますので、今後とも、多くのご紹介ならびにご相談をお待ちしております。若輩者ではございますが、今後とも成鳥めざしてグループを活性化させていく所存です。さらに、若い先生方の中からも、ぜひ血液グループで一緒にがんばって行こうという人が出てくることを心待ちにしております。 |
| 神経グループ |
| 松尾宗明 |
| 循環器グループ |
| 田代克弥 |
小児科医の不足が全国的に注目されていますが、循環器グループも数年来新メンバーの加入がありませんでした。このため、整肢学園の田崎先生を中心に大学に田代・西村・酒井、北九州の中核施設である九州厚生年金病院では渡辺・岸本、佐賀病院では漢が、県立愛媛に横田の不動のメンバーでやってきましたが、昨年漸く新メンバーに熊本夫妻が加わっていただきました。お互いのレベル向上を図るにも新たな刺激は不可欠ですので、新メンバーの加入を大変心強く感じています。また、大学では小児心電計レーダーサークが購入され更に長年の希望だった心エコー機器の更新のめどがつき、ハード面でも一つステップアップしたように思います。更に、九州厚生年金病院城尾先生のご協力をいただき、佐賀大学附属病院は小児循環器指導医資格取得のための学会指定修練施設に認定されました。 今後も地道な診療活動と共に佐賀から全国に向けて最新の研究成果を発信できるように着実な歩みを続けて生きたいと思います。そのためには熊本夫妻に続く新しいメンバーの加入を待っています。 |
| 糖尿病・内分泌・遺伝グループ |
| 久野建夫 |
今回は、最近大きく様変わりしている低身長治療について述べることにする。 1.成長ホルモン療法の適応 小児慢性特定疾患治療研究事業は平成17年に法制化され、児童福祉法に基づいて安定的に実施されるようになった。それ以前は、補助金事業として毎年厚労省が財務省に予算を要求し不安定な形で行われていたものであり、その意味では大きな進歩であったが、この法制化に際して、下垂体性低身長(成長ホルモン分泌不全性低身長)に対する公費支援が厳しく制限されることとなった。低身長の基準が平均-2.0SDから平均-2.5SDに引き下げられた点もさることながら、部分欠損や偶発的分泌の可能性を認めないという新しい条件が加わったことが大きな影響を与えている。つまり、成長ホルモン分泌の評価の全過程において、すべての測定結果が・・分泌刺激の結果でない可能性もあるがそれも含め・・6ng/ml以下であることが条件とされた。この結果、トルコ鞍周囲の器質的疾患、下垂体の遺伝的発生異常や重篤な周産期障害の後遺症などによる成長ホルモン完全欠損(低身長を主訴に受診する患者の1-2%以下だろうと思う)でない限り公費負担の対象とならず、世界で最も厳しい基準となった。 添付文書上の効能効果は部分欠損を認める厚生省班会議の診断基準に基づいており、それと「児童福祉法基準」との間に入る患者が大多数である。それらの方は健康保険の対象ではあるが、3割自己負担で治療せざるを得なくなった。成長ホルモンの薬価は1mgがほぼ1万円前後であるので、体重40kgの患者で1ヵ月(成長ホルモン30mgが必要なので)9万円の薬剤費自己負担となり、高額療養費制度のラインを越える。より体重の軽い患者でもやはり負担は高額であり、負担上限の低い組合管掌社会保険、共済保険、医療扶助、あるいは中学卒業まで外来医療費自己負担のない東京都23区などでない限り、かなり裕福な家庭でなければ治療を受けるのは困難な現状である。 20年11月にSGA(=IUGR、子宮内発育遅延)性低身長が成長ホルモンの保険適応を得たが、これは小児慢性特定疾患治療研究事業の対象になっていないため上記と同様の自己負担額の問題がある。佐賀県でも利用できる乳幼児医療対象年齢のみ投与し、そこで終了する方法も考えられるが、低年齢投与による思春期早発や終了後のcatch downの問題がある。SGA性低身長に対する成長ホルモン投与は、現実には対象が限られると思われる。 Turner症候群、achondroplasia、Prader-Willi症候群、腎不全など引き続き小児慢性特定疾患治療研究事業の対象となっていて自己負担の心配なく治療できるカテゴリーも残っているが、これらは「補充療法」というより「薬理療法」による治療ととらえるべきかと思われる。薬理療法としての成長ホルモン投与は、体重当たり投与量を補充療法より増やしても、初年度の伸び増加が少なく、また、2年目以降の伸びが目立って低下する傾向がある。achondroplasiaでは成長ホルモンの効果に満足できず、骨延長術を受ける患者も見られる。いずれにしても、成長ホルモン療法の適応は様変わりしたといってよいと思う。 2.当外来での対応 低身長を主訴に受診した患者は、(1) 低身長以外に肥満の合併、思春期完了前の成長鈍化、後葉、視床下部障害に起因する症状、神経学的異常、特異顔貌、四肢の形成異常など何らかの異常が病歴、理学所見にあるもの、(2) (1)に該当せず、最終的に添付文書上の効能効果に定める基準と「児童福祉法基準」の間に入った場合に3割自己負担(+軽減策を利用できるならそれを利用して、)に耐えて治療を希望するもの、(3) (1)にも(2)にもあてはまらないもの、の3群に分類できる。この中で(3)群が圧倒的多数を占める。 このうち(1)群に対しては頭部MRI、小奇形の評価、骨系統疾患サーベイ、尿濃縮力など必要な範囲で粛々と検査を進め、診断をつける。成長ホルモン完全欠損の多くもここに入ると思われる。(2)群には成長ホルモン分泌の評価を型通り進め、その過程で他に異常がないか検討する。 (3)群に対してどの程度まで検査を行うべきだろうか。まず、(1)群に入らないこと、特に女児ではTurner症候群でないことを確定する必要がある。児童福祉法基準をクリアできる可能性のある、すなわち身長が平均-2.5SDより低く、かつ、IGF-1、IGFBP-III低値の場合以外には、ある程度の費用負担を必要とする薬理的負荷試験は実施するメリットに乏しいと思われる。(2)群と(3)群とのどちらに所属するか、社会経済地理的差異(中間層が不利)によって決まることになった点が衝撃的である。 3.KP-102LN治験 このような低身長治療状況の激変を目前にして、代替的な手段を持っておくことの重要性は言を待たない。KP-102LN(一般名:塩酸プラルモレリン、科研製薬)はグレリン受容体アゴニストであり、現在知られている最も強力な成長ホルモン分泌刺激物質である。ヘキサペプチドで鼻粘膜から吸収されるため、この薬剤の鼻腔内投与により成長ホルモン分泌を刺激し、それによって成長率を高める作用が期待される。この薬剤は数年前に「低身長」を対象に治験が行われたが、低身長は疾患ではなく、疾患でないものへの投与は健康保険で費用負担できない、との厚労省の見解があり、今回改めて成長ホルモン分泌不全性低身長症に対するplacebo-controlled double blind studyが行われることとなり、我々もこれに参加することとした。幸い7名の患者さんの同意が得られ、治験を行っている。7名のすべてが上記の「厚生省班会議基準」と「児童福祉法基準」の間に入る方で、自己負担額の問題から成長ホルモン投与をためらっていた患者さんである。 子どもでも代諾でなく本人の自由意志を確認して参加してもらう、という点もかなり困難を伴う治験であったが、治験センターの清松看護師の優れたサポートを得て順調に進行している。体内の総成長ホルモン量は増加せず、また静注に比べ吸収率の悪いルートなので、効果が弱まる可能性もあるが、自己注射を回避でき、作用点が限定され安全性が高い点でも評価できる薬剤と考えている。 48週のdouble blind期間後は確実に実薬が投与されることになっており、現在すでに2名が治験期間を終了しておられるが、未だplacebo群か実薬群(容量が2段階ある)かはオープンされていない。1施設7名の参加者は全国で2番目に多く、ポジティブな結果が出ることを期待している。新薬の開発治験への参画は医療機関として重要な責務であると考えていることもあり、積極的に協力しているところである。 |
| 腎グループ |
| 大塚泰史 |
腎グループは現在4名です。構成は佐藤忠司(国立病院機構嬉野医療センター)、大塚泰史(佐賀大学医学部附属病院)、岡政史(有田共立病院)、酒井菜那(佐賀県立病院好生館)です。専門外来としては、大学附属病院が毎週火・木曜日9:00〜17:00,有田共立病院が第2金曜日14:00〜17:00です。嬉野医療センターが毎月第2木曜日午後に腎外来を行っております。さらに毎週月曜日午後と水曜日午前に通常の外来もあります。是非ご紹介ください。 小児腎臓病を多く経験できる環境になりつつあります。さらに発展できるよう、基礎的な研究にも力を入れていく必要があります。少数グループですが、同門先生方のお力も借りて邁進していこうと思います。 |
| 新生児グループ |
| 藤田一郎 |
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平成20年の1年間で173名の新生児患者を診療しました。院内出生が110名、院外出生が63名です。低出生体重児が少ないので病床稼働率は低いのですが、病床数6床、夜勤看護師1名の体制にしては多くの患者さんを診ていると思います。国立大学病院にNICUが必要という時代の流れに合致して、濱崎教授のご指導により平成21年4月にNICUがオープンします。人工呼吸器と保育器の購入、新生児治療室の改修工事を予定しています。夜勤看護師2名体制によって小さい重症の未熟児も診療可能となります。新生児グループの山口先生、岩永先生、江頭先生が活躍する場ができそうです。 藤田の関心は子育て支援で、メールで健康相談・育児相談、産後うつ病スクリーニングを続けています。虐待予防は周産期からと言われるように、子育て支援が求められています。トリプルPとNobody’s Perfectという子育て支援プログラムが普及するよう保育団体や佐賀市などに働きかけています。 |
| 心身症グループ |
| 藤田一郎 |
平成17年度から心身症を診療しています。約60名の不登校と15名の思春期やせ症、そして起立性調節障害、過敏性腸症候群、チック、抜毛癖などの患者さんを診療しました。心強いのは文化教育学部の池田教授と中島先生が水曜・木曜午後に心理相談に来てくれることです。文化教育学部と医学部が共同提出した「発達障害と心身症への支援に強い教員の養成」プログラムが文部科学省のGPに通りました。特別支援教育の視察目的で池田先生の引率でカナダのマニトバ大学に行ってきました。-20℃の国に行くのは心配しましたが、お願いしたカナダ人の歓待ぶりに驚くほどでした。もちろん学校における障害者のインクルージョンの様子もしっかりと見たので参考になりました。子どもの気になる症状があれば、佐賀大学医学部の子ども総合支援センター(仮称)に行って相談しよう。というようになれば佐賀の子どもたちには役に立つはずです。この構想をめざして診療していきます。 |
