| アレルギー・グループ |
| 山本修一 |
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アレルギーグループは現在、大学では浜崎教授、山本、在津、人見会美子が診療にあたり、これに室、宮崎倫子が外来診療を手伝っています。大学救急部に人見知洋、辻が在籍し佐賀県の小児救急医療の中核となるべく奮闘しています。大学外では、佐賀県立病院好生館に市丸、整肢学園に小林、社会保険病院に西奈津子が診療を行っています。分子生命科学講座の博士課程に谷口が在籍しており、小児科学講座には研究生の稲田由紀子に加え新たに修士課程の大田黒一舞(東京理科大工学部卒)が加わりました。
診療について
アレルギー専門外来では、主に気管支喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギーの診療を行っています。小児気管支喘息はガイドラインに基づいた吸入ステロイドを中心とした治療が確立されましたが、依然コントロール不良の重症喘息は存在し乳児の喘息は逆に増えています。これらの小児が問題ですが、気道過敏性試験などによる気道炎症の評価は小学高学年以上でないと困難であり、それ以下の年齢に対する客観的指標のない状態です。何らかの指標(呼気NOなど)の導入が必要と考えています。食物アレルギーに関しては積極的に入院での食物負荷試験を行っています。単に除去食解除の確認だけでなく、最近話題となっている食物アレルギーに対する経口免疫療法(減感作療法)への導入を目的として行っています。経口免疫療法には確立した方法はありませんが、現時点で2例において試行中です。重症アトピー性皮膚炎の入院療法も行っておりますので、症例がありましたらご紹介ください。
研究について
現在の私たちの研究テーマは、「アレルギーや感染による気道炎症における気道上皮細胞の役割の解明」です。室はvirus-induced asthmaという小児気管支喘息の新しい概念において気道上皮細胞のIL-23産生に注目しています。稲田はsemaphorin3Aという神経伸長に関与する物質が気道上皮細胞から産生されていることを見出しその意義について検討中です。大田黒は気道炎症におけるLTB4の意義について気道上皮細胞における接着分子発現との関連を研究しています。谷口はマウスからの気道上皮細胞の採取および培養法を確立しさらに気道上皮細胞の増殖について興味ある結果を出しています。それぞれあと一歩のところまで来ておりbreakthroughを期待したいところです。また私たちは厚労省のアトピー性皮膚炎研究班に参加しており、今年度はアトピー性皮膚炎における食物除去療法のEBM評価を行い報告しました。
なお、浜崎教授が主催いたしました第46回日本小児アレルギー学会を無事終了することができました。皆様のご支援のおかげです。この場を借りまして深く御礼申し上げます。
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| 血液・腫瘍グループ |
| 西眞範 |
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1.診療
1)小児がん
小児血液・腫瘍領域では、rare case を取り扱うことが多く、全国規模・全世界規模での治療戦略が確立しつつあります。小児がん領域では、全国統一プロトコールが作成され、当教室でも急性リンパ性白血病はJACLS、急性骨髄性白血病や悪性リンパ腫・乳児白血病などはJPLSGという治療研究グループに所属して化学療法を行っております。急性リンパ性白血病に関しても、本年中には、日本としてJPLSGによる全国統一プロトコールでの治療が開始されます。他にも、進行神経芽腫・横紋筋肉腫・肝芽腫・脳腫瘍・血球貪食症候群・ランゲルハンス細胞組織球症などの疾患で全国規模の臨床試験が遂行中であり、当院でもそれに基づいて治療にあたっております。
現在、日本における小児がん患児のほとんどが、臨床試験登録施設において治療を受けており、JPLSG;日本小児白血病・悪性リンパ腫研究グループがその中核を担っています。プロトコールが確立しているとはいえ、症例一人一人、臨床像・臨床経過、特に合併症はまちまちであり、日々、その場の状況でのBestな選択を迫られる毎日です。私達も、このグループに参加することで、プロトコールの検討だけでなく、多くの先生方と、日々の症例の検討や相談を行いながら、またアドバイスをいただきながら日々の診療を行っています。また、小児血液腫瘍領域は、病気を治療すると共に、「病気を作っている」診療領域であります。治療による合併症はもとより、治療後の晩期障害などがそれにあたりますが、私自身も、それを肝に銘じながら今後とも長期フォローアップを含めた診療に当たっていく所存です。新規患児だけでなく、小児がん経験者もしくは小児がん卒業生と呼ばれる、抗がん剤投与の既往のある患者さんも、ご相談・ご紹介いただければと存じます。
2)造血幹細胞移植
小児がんは近年、飛躍的に治療成績が向上しました。それは、画期的な新規薬剤によるものではなく、プロトコールの改良や支持療法の強化、そしてこの造血幹細胞移植によるところが大きいと考えられます。当科では、小児科病棟に併設した無菌室が1室あり、そこで白血病や再生不良性貧血・進行期固形腫瘍に対する造血幹細胞移植を行っております。年間1~3例の造血幹細胞移植を行っており、自家末梢血幹細胞移植、血縁間骨髄移植、血縁間末梢血幹細胞移植を行っているほか、臍帯血バンクの認定施設です。今後は、血液内科と共同で骨髄バンク認定施設の申請も検討中です。
昨年は、2例(3回)のPBSCHを施行しましたが、原疾患のコントロールがつかず、PBSCTには至っておりません。なお、現時点では、骨髄バンクからの移植については九州がんセンターにお願いしております。
当グループでは、佐賀市内だけでなく、大川・柳川・鳥栖・唐津・伊万里・佐世保・嬉野など遠方からも多くの紹介を頂き、佐賀はもとより福岡・長崎の患児もご家族の選択に応じて積極的に治療に当たっております。院内のMSWも増員となり、医療福祉サービスの紹介や手続きもこれまでよりスムーズに行えております。骨髄バンクからの移植以外は当科で遜色なく行っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
3)一般血液疾患
近隣の先生方から、多くのご紹介を頂き、小児がんだけでなく多くの一般血液疾患の患児の診療も積極的に行っております。年間10~15名程度のITPや、自己免疫性好中球減少症、伝染性単核症などが主な疾患でありますが、貧血の精査や再生不良性貧血、VAHS、免疫疾患の診療も行っております。昨年は、汎血球減少症の患児を多くご紹介いただき、さまざまな骨髄不全症の診療にあたらせていただきました。緊急の輸血を必要とする症例も多数みられました。小児血液学会では、一昨年から、悪性疾患だけでなく、ITPやVAHSを含めた良性疾患の全数登録を行っております。佐賀県では、当科が唯一の疾患登録施設となっておりますので、今後とも、積極的にご紹介いただければと存じます。よろしくお願いたします。
4)外来
外来は毎週火曜日の午前。午後に行っておりますが、新患の患者さんは常時受診可能です。西(34-3751)にお問い合わせください。外来では、ALLの維持療法の他、治療終了後の小児がんや良性腫瘍、貧血、ITP、好中球減少、免疫不全、血友病などの患児のフォローを行っております。
好中球減少症(無顆粒球症)・βサラセミア・猫ひっかき病などは、佐賀でもしばしば経験します。疑わしい症例は是非ご紹介ください。
2.研究
研究面は、貞包雄次郎先生を中心に、石井榮一先生との共同でmicroRNAにターゲットを置いた白血病の病態解析を進め、2009年12月にアメリカ、ニューオーリンズで開催されましたアメリカ血液学会(ASH)の演題に採択され、これまでの研究成果を発表する機会を得ました。
以前、我々は乳児白血病発症の2nd hitとしてB細胞分化制御因子Pax5 遺伝子および蛋白の異常を初めて突き止め、さらにBLNK 発現異常との相関も見出し、報告しました。(Br J Haematol, 2007)。近年、microRNA (miRNA)と呼ばれる非常に小さなnon-cording RNAが、細胞の増殖・分化・アポトーシスなどに重要な役割を果たしていることが判ってきました。さまざまな癌腫において、その発現の増減と発がんの関与が報告されております。 今回、我々は、MLL融合遺伝子が正常と異なった miRNA の発現異常を起こし、従ってその下流の標的遺伝子(Hox 遺伝子等)の発現パターンも変化し、癌の発生を引き起こしているのではないかと推察し、以下の解析結果を報告することができました。
・MLL 再構成陽性乳児 ALL 細胞株と MLL再構成陰性細胞株で miRNA 発現をアレイで比較し、MLL再構成陽性細胞株で多くの miRNA 発現が低下していた。
・マイクロアレイ解析において発現低下を認めた miRNA のうち、HoxA9 を標的とすると予想される miRNA (let-7b, miR-125b など) とHoxA9の発現をALL 乳児の細胞で検討した (MLL融合遺伝子によるHox遺伝子の過剰発現は白血病発症の重要な要因のひとつであると考えられている)。
・乳児ALL の細胞では、let-7b の発現が有意に低下しており、逆にHoxA9が有意に高発現していた。
・MLL 融合遺伝子を導入した細胞株において、let-7bの発現を検討したところ、発現の低下が認められた。
以上から、MLL 融合遺伝子→let-7bの低下→標的遺伝子(HoxA9など)の発現増加というpathwayが示唆されたことを発表しました。
現在、その証明のために、MLL 融合遺伝子を導入したES細胞を作製し、各種mi RNAや関連遺伝子の発現を検討しております。
今後、ES細胞やiPS細胞を用いて、miRNAの発現異常が、どのようにtumorigenesisに関与しているのか更なる検討を進めていく予定です。
さらに、昨年は、先天性血小板異常疾患への治療を確立すべく、東大医科学研究所との共同研究で、iPS細胞研究を立ち上げました。先天性血小板異常疾患の一つである先天性無巨核球性血小板減少症(congenital amegakaryocytic thrombocytopenia: CAMT)の患者さんの細胞からiPS細胞を作製し、遺伝子治療にて正常な血小板造血能を回復させたのち、患者さん本人の血小板を作成し、輸血治療に利用するほか、骨髄移植による根本治療につながることを期待した研究です。現在、疾患を有したiPS細胞の樹立に成功し、今後、更なる解析・治療的アプローチを検討してく予定です。
3.最後に
教室内で一番若いグループではありますが、佐賀医療圏の血液疾患の「なんでも屋さん」として、診断・治療にあたっております。なるべく多くのことを発信し、症例のフィードバックもしていきたいと考えておりますので、今後とも、多くのご紹介ならびにご相談をお待ちしております。若輩者ではございますが、今後とも成鳥めざしてグループを活性化させていく所存です。さらに、若い先生方の中からも、ぜひ血液グループで一緒にがんばって行こうという人が出てくることを心待ちにしております。
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| 神経グループ |
| 松尾宗明 |
大学では、松尾、田島が専門外来、病棟の神経疾患の患者さんを担当しています。発達障害の患者さんが増えてきているため、佐賀大学文化教育学部の池田先生、心理相談員の中島先生にWISC3の検査をなどで協力していただいています。院外の専門外来は、好生館を松尾が担当、佐賀病院を石井清久、有田共立病院は松尾と古賀正啓、嬉野医療センターは小野、田島が担当しています。神経グループとしては、佐賀整肢学園こども発達医療センターに木附京子、石井清久、漢由華が勤務、嬉野医療センターに小野、田島、川内恵美、有田共立病院に古賀、大分赤十字病院に土谷勝則がそれぞれ勤務しており、専門性を生かした診療を行っています。佐々木和也は、H21年11月に佐賀市で開業しましたが、今後も大学などと連携して神経関係の患者さんの診療にもかかわってもらう予定です。月に1回福岡こども病院で行われている福岡小児神経研究会には、ほとんど欠かさず出席し症例も持っていくようにしており、若手の先生方の研修の場として役立っています。研究面では、熱性けいれんの遺伝要因についての研究が、昨年Pediatric
Neurologyに掲載され、佐々木の学位論文となりました。また、昨年は、自閉症とてんかんに関する症例研究を行い、松尾と前田が久留米で行われた国際シンポジウムで発表しました。その他、けいれん重積型急性脳症、神経線維腫症2型、もやもや病についての臨床研究が現在進行中です。また、ニーマンピック病C型の患者さんに対する本邦初(世界で3例目)の臨床治験も進行中で、今春の日本小児神経学会で発表予定です。 |
| 循環器グループ |
| 田代克弥 |
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循環器グループのメンバーは昨年から変化はありません。整肢学園の田崎先生を中心として大学に田代・西村・酒井、北九州の中核施設である九州厚生年金病院では渡辺・岸本、佐賀病院には漢・熊本愛子、好生館に熊本崇、県立愛媛に横田がそれぞれの勤務先で患者さんの診療を行っております。
小児循環器の守備範囲は、他の小児疾患同様年々拡大しています。漢・岸川は胎児心エコーを行い、他方田崎先生は生活習慣病予備軍としての小児についての研究会を企画されておられます。また、それぞれの施設において成人に達した循環器患者を診療する数も増加しています。このような状況ですので、今後グループ活動を一層充実されるために新たなメンバーの加入が待たれるところです。
以下は大学におけるこの一年の活動についてご報告いたします。
大学ではNICUの開設に伴い、念願であったGE社の心エコー機とデーター管理システムが導入されて既に稼働しております。この結果、ハードについては他施設にひけはとらないレベルまで改善されました。今後はハードを使いこなす医師の技量の向上が求められています。大学の外来診療は田代・西村・酒井祐子が担当し、県内の各地域の先生方から貴重な症例を御紹介いただいて勉強させていただいております。入院診療は外科手術が大学でできないこともあって制約がありますが、川崎病急性期治療を中心に新生児循環器疾患、不整脈、後天性心疾患の精査・治療を行うと共に年間10例程度の心臓カテーテル検査を行っております。また、64列の心臓CTが大学病院へ導入されましたので、大血管の位置関係や学童以上の冠状動脈評価に少しずつ使用しています。検査の希望があれば私どもへご依頼いただければ幸いです。
学校心臓健診については、これまで同様佐賀県医師会および武雄杵島医師会と協力して佐賀中部・小城多久・武雄杵島・嬉野鹿島太良各地区の一次健診から三次健診まで積極的に関わっています。検診受診率は99%を超える高率で、この中から心房中隔欠損・不整脈をはじめとする心疾患を見つけて適切な診断・管理までを行っております。
基本は診療を中心としつつその合間に研究を継続して行っています。研究のテーマは昨年同様川崎病における特異的な炎症マーカーの同定・血管炎における単球・脂肪細胞の役割の解明・川崎病のおけるエルシニア感染症の関与の解明をテーマに行ってきました。エルシニア感染症については関連施設の先生方のご協力をいただいて、十数例の症例が集まりましたので今年の小児科学会でその中間報告をする予定です。
引き続き日々の診療活動と大事にしながら、佐賀から全国に向けて情報発信できるように一歩ずつ歩みを続けて生きたいと思います。
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| 糖尿病・内分泌・遺伝グループ |
| 久野建夫 |
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最近の話題として、「ランタスによる発がんリスク上昇問題」を紹介する。ランタス(Insulin Glargine)は我が国では2007年に発売された持効型インスリンで、基礎分泌補充のための製剤である。それまで基礎分泌補充にはNPH(イソフェンインスリン)が用いられていたが、持続時間が8時間ほどと短く、効果のピークが明らかであるなど満足できるものでなかったため、ランタスの導入は大歓迎された。
ランタスはインスリンB鎖のN末端側に2つのアルギニン残基が付加されており、体内のpHにおいて等電点が陰性にあるため溶解に時間がかかり、このために緩徐に効果を発現する。
ことの発端は2009年6月の欧州糖尿病学会雑誌(Diabetologia)に掲載された4論文である。それぞれドイツ、イギリス、スウェーデン、スコットランドからの報告で、このうち、イギリスから以外の3報告でランタス使用者(2型糖尿病、成人)にがん発生の増加が見られたとなっている。しかし詳細に見ると、ランタス単独使用でみられたがん発生増加が、他のインスリンを併用すると消失するという結果であり、また、治療を異にする各グループの患者背景がおおきくばらついているなどの問題を含んだ論文であった。
これらの論文にはあるin vitro研究が影響している。2000年6月のDiabetesに発表されたKurtzhalsらによる論文がそれで、持効型インスリンであるランタス、レベミル(Insulin Detemir)、B10Asp(開発中止)の3種類について、IGF-1受容体との親和性、細胞増殖性を比較したものである。IGF-1受容体親和性は、Human Insulinに比較して、ランタスが6.4倍、レベミルが0.16倍、B10Aspが5.9倍であり、細胞増殖性もランタスで高かった。(レベミルは1モルあたりのインスリン作用が1/4しかないという特異性をもっている)この結論をみるとランタスの発がん性を疑われてもやむを得ないということになるだろう。しかし、親和性増加はsolubilized receptorを用いたこの論文では見られたが、細胞を用いた研究では否定されたこと、細胞増殖性もこの論文で使われたosteosarcoma cell lineのみで見られた現象で繊維芽細胞などを用いた研究では再現されなかった。さらにこの論文の著者はレベミルを製造販売するノボ社の副社長であるというおまけもついている。
ランタスの製造販売元であるサノフィ-アベンティス社からの反論はやや立ち後れたが、自社の安全性データを分析し発表した。成人の2型糖尿病において、がん発生はランタス使用群とNPH使用群各6000例で比較され、有意差はみられなかった。この後、この立場からの論説が欧米の複数の糖尿病学会誌に掲載されている。我が国の厚生労働省も2009年11月に「現時点での注意喚起は不要」とする見解を発表している。
「・・・のリスクが否定できる」という命題は「関連がある」より証明が難しく、まだまだデータの蓄積が必要だが、インスリンという頻用薬剤の製造販売が寡占状態にあり、新規参入には困難があること、医師研究者すらも囲い込み状態にあること、などが感じられたできごとであった。また、糖尿病合併症としてトリオパチーだけでなく、易感染性、動脈硬化性疾患、歯周病についても注意を払い、悪性腫瘍もその範疇に加える必要があるとの主張も再認識された。
糖尿病に関しては、2010年にHbA1c値の表示が変更される(今まで欧米の基準より0.4%低かった)こと、インクレチン関連製剤が発売されることなど小児科領域にも影響するできごとが控えており、今後も注意を払っていく必要がある。
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| 腎グループ |
| 大塚泰史 |
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腎グループは現在4名で、佐藤忠司先生、(国立病院機構嬉野医療センター)、酒井菜那先生(佐賀社会保険病院)、大塚泰史(佐賀大学医学部附属病院)の3名が県内で診療しています。岡政史先生は2009年4月より神戸大学医学部小児科に研究目的で1年間国内留学をしています。専門外来としては、大学附属病院が毎週火・木曜日9:00〜17:00,有田共立病院が第2金曜日14:00〜17:00です。嬉野医療センターが毎月第2木曜日午後に腎外来を行っております。さらに毎週月曜日午後と水曜日午前に通常の外来もあります。是非ご紹介ください。
2009年大学病院での腎生検は19例でした。診断は若年性ネフロン癆、巣状分節性糸球体硬化症、腎障害を伴うFanconi症候群、紫斑病性腎炎、IgA腎症、ネフローゼ症候群、低形成腎、SLEでした。病理は佐賀大学病理部青木茂久先生や、福岡大学病理久野敏先生にお世話になりながら診断をしています。腹膜透析患者は、新規に1名導入しました。また2009年は、常染色体劣性型Alport症候群の患者で、生体腎移植を行った症例が1例ありました。
学会活動としては、第44回日本小児腎臓病学会(小児腎)をはじめ、地方会や他研究会に多く演題をだしてきました(別頁を参照ください)。酒井先生においては、小児腎で発表した「診断に苦慮したDense deposit diseaseの一例」が、国際小児腎臓病学会の英語抄録に推薦されました。さらに学会のCPT(continuing professional development)活動において、全国の若手医師と小児IgA腎症についてまとめあげ発表してきました。岡先生においては、常染色体劣性Alport症候群家系の責任遺伝子COL4A3およびCOL4A4の解析を進めてきました。先述した患者をはじめ、大学病院で2家系があり、見事にmutationを検出してくれました。ここで詳細は語れませんが、近年Direct Sequenceだけでなく、MLPA法などを用いて検出率の向上がみられています。2010年には論文にするとともに、佐賀でも発表してくれると思います。また江頭政和先生が日本小児体液研究会で発表し、簡単ですが論文にしてくれました。是非、若手の先生方にも興味を持っていただき、一緒に仕事ができればと考えています。2009年は、症例報告からですが、仕事を論文の形で少しずつ残す働きかけができたと感じます。今後、腎泌尿器領域を向上させるために、さらに皆で研鑽する所存です。同門先生方にはさらにお世話になりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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| 新生児グループ |
| 藤田一郎 |
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大学NICUでは、NICU病棟を、外来を横田吾郎が主に担当しています。院外の周産期施設では、愛媛県立中央病院総合周産期母子医療センターNICUに岩永学が、国立病院機構佐賀病院に江頭智子がそれぞれ勤務しています。
佐賀県内の周産期医療体制としては、おもに極低出生体重児や重症仮死など集中治療が必要な児の管理を国立病院機構佐賀病院、小児外科疾患を県立病院好生館が分担しています。 大学病院NICUは、母体合併疾患や佐賀病院のベッドコントロールのサポートとしての役割を担っています。母体合併症とはうつ病などの精神疾患、てんかんなどの神経内科疾患、DMやITP、膠原病、腎不全など多岐にわたり、各専門分野との協力のもと妊娠管理が行われます。出産後の児にも影響が出て来る場合があり、経過観察やスクリーニングが必要となります。大学NICUでは、母体合併症の児の管理を行うことで、正常新生児と病的新生児の「境界領域」を主な研修医教育のトレーニング目的としています。また、佐賀病院や愛媛県立中央病院では、1000g未満の超低出
生体重児や重症仮死児の集中管理法を経験でき、修行の場としては最適な環境です。
本年度の新生児班の大きな変化としては、大学のNICUの看護スタッフの増員が実現し、NICU内で人工呼吸管理が可能となったことが挙げられます。人工呼吸器や保育器、amplitudeEEGや気管内視鏡をはじめ、各検査機器やモニター機器を新規に購入し、対応可能な疾患の幅が拡大しました。不足している新生児科医の育成に向け、少しでも多くの若い医師たちが新生児医療を目指せるよう、魅力的な環境が整ったと言えます。今後は、新生児医療に欠かせないフォローアップ部門である発達領域のプロフェッショナルな人材の育成が課題となりそうです
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| 心身症グループ |
| 藤田一郎 |
藤田が平成17年度から心身症(思春期やせ症、起立性調節障害、過敏性腸症候群、抜毛癖など)と不登校の子どもを診療しています。不登校の患者さんがもっとも多いのですが、平成17年5名、18年13名、19年17名、20年24名、21年23名と増えてきました。佐賀県では年間約700名の不登校生徒がいるそうなので、まだまだ一部の子どもを診ているだけです。佐賀大学文化教育学部の池田行伸先生と中島範子先生が心理相談を担当しています。私の診療方針は家族関係を重視しているので、患児と家族、患児だけ、親だけの3回面談します。親への愛着が強いけどうまく表現できていない子どもが結構いるので、育て直し療法、あまえ療法の話もよくします。同居している祖父母や両親との関係性障害、学校でのいじめ、授業についていけないなど、子どもの悩みを傾聴して少しずつアドバイスします。まずは家庭や学校での環境調性をしますが、佐賀県教育センターやNPOスチューデント・サポート・フェイスを紹介することもあります。塾は無理だけど家庭教師なら勉強できる子もいます。中学時代は長期に不登校の子どもが、高校に入学して毎日元気に登校していると聞くと嬉しい限りです。不登校の予防には心の子育てが必要なので、前向き子育てプログラム、トリプルPの普及に努めています。佐賀県には私を含めて7人のファシリテーターがいて、平成22年1月から子育て講座を始めました。1回のグループワークの定員が10名と少ないので、今後も継続してできるだけ多くの親に子育てを勉強してもらいたいと思っています。佐賀子どもの心懇話会も毎年2回開催して勉強しています。平成22年10月30日、31日は武雄市文化会館で乳幼児精神保健学会Four Windsを開催しますので、是非ご参加ください。
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