子供の食生活

こどもの食を考える
子供の食生活 なぜ肥満になるの?
こどもの肥満は食べすぎと運動不足が原因です。脂肪と動物性たんぱく質、ファーストフード、甘いお菓子やスナック菓子の食べすぎ、ジュースやソフトドリンクの飲みすぎ、夜食の摂りすぎなど、過食と偏食の食習慣があります。そして、運動不足(テレビゲーム)による消費エネルギーの減少も一因です。
肥満増加表
年齢 6歳 10歳 13歳
性別
1968(昭和43)年
1 1
1 1
1 1
1980(昭和55)年
2.0 1.8
2.1 2.0
2.6 1.4
1990(平成 2)年
3.1 2.9
2.8 2.8
3.3 1.7
2000(平成12)年
3.9 3.0
3.3 2.8
3.8 1.9
平均体重の120%以上の児の推移(1968年を1とした時)
参考資料:文部科学省「学校保健統計調査報告」


子供の食生活 肥満になるとどうなるの?
こどもの肥満は糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞、高脂血症【コレステロールや中性脂肪が多い】、高血圧、脳梗塞、などの生活習慣病の予備軍になります。つまり、肥満になると長生きが難しくなるのです。

子供の食生活 朝食抜きの問題点
背景(生活の夜型化)

  • 生活が夜型になり、朝時間ギリギリまで寝ているため食べる時間がない。
  • 夜食にカロリーの高いものを食べるため朝、空腹感がない、普通に起きても食欲がない。
  • 親が共働きのため、お腹がすいても食べるものがない。
                      ↓

集中力や根気が欠け、能率が上がらない。体がだるい。イライラしやすく、すぐカッとなる。
逆に朝食をきちんと食べ、規則正しい生活をしているこどもは、学習意欲があり、体のリズムも精神的にも安定し、些細なことでカッとしないという調査結果があります。

子供の食生活 偏食の問題点
こどもの偏食の中でも特に目立つのは野菜嫌いです。その背景には母親の野菜嫌いがあり、母親が嫌いな野菜とこどもが口にしたことがない野菜は相関することが報告されています。小学生の90%の子が、ほうれん草、ブロッコリー、人参、ピーマンなどのビタミンAと大根、キャベツ、パセリ、玉葱のビタミンCが不足しているといわれています。
こどもの偏食は乳幼児期からの家庭での躾(しつけ)や生活習慣の反映であり、親の責任範囲です。
こどもが好きだからと言って、欲しがる物を与え続けることは問題です。食には
ケジメが必要!
こどもの体や脳は新陳代謝が旺盛であり、この時期こそ、体が色々な食べ物を要求してくる。食の重要性を理解し、子どもの食を甘やかさないことが大事!
  • ダラダラした食事×
  • 遊びか食事か分からないような食卓×
  • 食事とおやつの区別がはっきりしない食事×
  • 与える量や場所を決めないおやつ×

子供の食生活 孤食の問題点
①身体の栄養面の問題
ファーストフードや添加物の多い食べ物、ラーメンや菓子パン → 
栄養障害
栄養障害のタイプ
A:三食きちんと食べない栄養不足の栄養失調タイプ  
痩せ型
B:ファーストフードやスナック類の摂りすぎによるカロリー過多  
肥満型

②精神衛生上の問題
もともと孤食の背景には家族関係の希薄さが存在します。
  • 核家族が増えた
  • 女性の社会進出で共働きの家族が増えた
  • 仕事に忙しいお父さんは帰りが遅く、朝は早い
  • こどもは塾通いやお稽古事で時間に追われている
  • 社会全体が夜型になり、朝の余裕がない家庭が増えた
また、こども自身が孤食を望んでいる場合があります。
  • みたいテレビがみれない時がある
  • 静かに他の人を気にせず食べれるから
  • 家族全員で食べても楽しくないから
  • ご飯中に食べ方とかを注意されたりしてうるさいから
  • 家族と食べても会話をあまりしないから
  • 一人のほうがリラックスできるから
  • 夜は疲れていて誰とも話したくない

このようにして親子関係が疎遠になると、その延長に問題行動や非行があります。実際に98年に茨城県警少年課の発表によると、非行少年には朝食抜き、自宅外での朝食、偏食、魚嫌い、野菜嫌い、鍋物の経験が少ない・・・。傷害などの粗暴事件を起こした少年の実に62%が朝は孤食という結果が出ています。

子供の食生活 カタカナ(洋)のものを漢字やひらがな(和)に変えた食事を心がけましょう!
例)
子供の食生活 子供の食生活
パン ご飯
子供の食生活 子供の食生活
ラーメン 刺身丼
子供の食生活 子供の食生活
スープ 味噌汁
子供の食生活 子供の食生活
パスタ そば
子供の食生活 子供の食生活
ステーキ 刺身
子供の食生活 子供の食生活
サンドイッチ おにぎり
子供の食生活 子供の食生活
ジュース お茶
子供の食生活 子供の食生活
ソーセージ ちくわ
子供の食生活 子供の食生活
ピザ おでん
子供の食生活 子供の食生活
シチュー 茶碗蒸し
子供の食生活 子供の食生活
エビフライ 焼き魚
子供の食生活 子供の食生活
チーズ 納豆
子供の食生活 子供の食生活
ケーキ 饅頭
子供の食生活 子供の食生活
クッキー せんべい
子供の食生活 子供の食生活
パフェ あんみつ
子供の食生活 子供の食生活
ソフトクリーム かき氷
子供の食生活 ミネラル不足
タンパク質、炭水化物、脂肪の三大栄養素がありますが、これらが代謝され、エネルギーとして使うためにはビタミンやミネラルが必要です。
昔は自然の物が多く、ビタミンやミネラルは豊富でしたが、現代人がよく摂取している加工食品、ファーストフード、インスタント食品などはミネラルのバランスが悪く、ナトリウムやリンが多く含まれています。こどもが好きなジュース、アイスクリーム、ハンバーガー、ポテトチップスなどの食品は糖や脂質が多く、高カロリーですが、カルシウム、鉄、亜鉛は不足しがちになります。コンビニ中心の食生活では、ミネラルバランスが崩れた栄養失調に陥りやすくなります。

動脈硬化などの生活習慣病にならないために、マゴワヤサシイ【杏林予防医学研究所:山田所長提唱】を中心とする食事を作ってあげましょう。
大豆をはじめとする豆類です。大豆は畑の牛肉と言われています。大豆のイソフラボンにはコレステロール低下、血圧降下、抗酸化作用などの効果があります。

ゴマに含まれるセサミンとセサモリンは抗酸化作用があり、コレステロールの合成を抑える作用【リノール酸・αリノレン酸】の比率を調節する作用があります。

ワカメをはじめとする海草類です。昆布、海苔、ひじき、クロレラなどビタミンやミネラルの宝庫です。

野菜は特に緑黄色野菜です。ビタミンやミネラルを多く含んでいます。

魚、特に青魚といわれる鰯(いわし)、鯖(さば)、秋刀魚(さんま)、鯵(あじ)にはEPAやDHAが豊富です。動脈硬化の予防効果があります。また、精神安定作用もあり、こどもの落ち着きがなくなったのは魚を食べなくなったのが原因という指摘もあります。

シイタケの茸類です。

芋類は糖質が主成分で、米に比べるとエネルギーは低いですが主食の代わりになる食べ物です。

カルシウム(mg) マグネシウム(mg) 鉄(mg) 亜鉛(μg) 銅(μg)
子供の食生活
豆(大豆)
240 220 9,4 3200 980
子供の食生活
ゴマ
1200 350 9,5 7100 1500
子供の食生活
ワカメ(海草類)
960 120 7,0 190 55
子供の食生活
野菜(人参)
39 9 0,8 140 55
子供の食生活
魚(鰯)
85 37 2,3 1300 160
子供の食生活
椎茸(キノコ類)
12 95 4,0 3100 690
子供の食生活
芋(ジャガイモ)
5 19 0,5 230 75
子供の食生活
お茶
420 230 17,0 6300 640
子供の食生活
牛乳
100 10 0,1 340 7

子供の食生活 亜鉛の欠乏
最近「マヨラー(マヨネーズ)」や「ケチャパー(ケチャップ)」、「ペパラー(胡椒)」、ワサラー(わさび)」など若者の食行動は偏食を超えて変食→寄食になってきました。
ご飯を食べずにお菓子や菓子パンだけの生活をしていると、PFCバランス子供の食生活やミネラルバランスは崩壊し、ビタミン不足も加わり、体だけでなく、脳や心までおかしくなります。
舌がおかしくなった状態が味覚異常です。
味覚障害と深い関係の微量元素に亜鉛があります。舌には味蕾という感覚器官があり、そこで甘味(あまい)、苦味(にがい)、酸味(すっぱい)、塩味(塩からい)、旨味(うまい)の五味を感じとり脳に伝えています。この舌の味細胞は亜鉛を必要としています。しかし、偏食、ダイエット、加工食品の摂りすぎ、清涼飲料水の飲みすぎなどという食生活を送っていると亜鉛不足になります。
亜鉛を多く含む食材:魚介類【牡蠣、ししゃも】、豆【納豆、きな粉】、海草類【海苔、ひじき】、胡麻、ナッツ類、緑茶など
味覚障害の症例子供の食生活

子供の食生活 おやつ
最近はおやつのご飯化、ご飯のおやつ化が進んでいます。おやつを「いつ」、「どこで」「何を」与えるかは重要な問題です。
2-3歳までは午前と午後の2回、4歳以降は1日1回が目安です。食事をきちんと摂っていれば、食後2時間は必要ないでしょう。ダラダラ与えたり、不規則であったり、おやつをこどもとの取引にしたような躾は、我がままや、落ち着きのない子にさせる原因となるでしょう。


子供の食生活 こどもの生活習慣病は親の責任
生活習慣病の予防はこどもの時から始まっています。
以下のことに気をつけた食生活をおくりましょう!


子供の食生活 こどもの生活習慣病予防の食指導
  • なんでも食べる 「マゴワヤサシイ」を中心に
  • 良く噛んでゆっくり食べる(一口20回)
  • ミネラルを充分摂る
  • 砂糖を摂りすぎない
  • 野菜、果物は豊富に
  • ご飯を主食に
  • 飲み物はお茶
  • 家族団欒の食事を
  • 食事を楽しく
  • 「いただきます」と「ごちそうさま」を必ず言う
  • テレビは切る

参考本 「今、子どもの『食』を考える」
著者 上瀬 英彦
佐賀大学医学部附属病院 小児科