予防接種


予防接種
予防接種表

予防接種
定期接種
三種混合・二種混合
対称年齢 接種年齢 備考
DPT 1期初回
生後3-90ヶ月(7歳半)未満


生後3ヶ月-12ヶ月(1歳) 1期で接種間隔があいても、やり直しはせず、規定の回数を接種する。
1期追加
生後3-90ヶ月未満
(初回から6ヶ月以上あける)


初回接種(3回)終了後12ヶ月-18ヶ月(1歳半)
2期
11歳、12歳


小6(12歳)
DT 1期初回
生後3-90ヶ月(7歳半)未満


生後3ヶ月-12ヶ月(1歳) DTトキソイドは百日咳にかかったことがある者、及びジフテリア、破傷風の第2期に使用する。
1期追加
生後3-90ヶ月未満
(初回から6ヶ月以上あける)


初回接種終了後12ヶ月(1歳)-18ヶ月(1歳半)
2期
11歳、12歳
小6(12歳)
DPT:百日咳・ジフテリア・破傷風
DT:ジフテリア・破傷風
百日咳
(Pertussis)
百日咳菌の感染によって起こり、風邪のような症状で始まり、だんだんコンコンヒューというしつこい咳が長く続くようになります。赤ちゃんが感染すると、無呼吸発作から、チアノーゼやけいれんを起こして、命にかかわることもあります。

ジフテリア
(Diphtheria)
ジフテリア菌の感染によって起こり、38度以上の熱が出て、最初はのどの痛みや嘔吐などの症状が出ます。悪化すると心筋障害や呼吸困難により死亡することもあります。
・鼻ジフテリア→乳児に多く、鼻汁に血液が混じる。
・咽頭ジフテリア→幼児に多く、喉の痛み、元気消失、嘔吐などの症状で、発熱は38℃前後
・喉頭ジフテリア→幼児に多く、しわがれ声、犬の遠吠え様の咳、呼吸困難など


破傷風
(Tetanus)
ケガなどをした時、土の中の破傷風菌が傷口から入って感染します。菌が作る毒素が中枢神経を侵すため、口唇や手足のしびれ、味覚異常が初期にあり、その後開口困難や全身けいれんを起こします。
致命率が高く、発症した人の20%が死亡する怖い病気です。自然感染による免疫が成立しません。

副反応
接種した跡が腫れて、赤いしこりになることがあります。まれに6-24時間の間に、熱が出ることがあります。

約30年前、百日咳ワクチンの副反応で脳神経障害が起こり、一時接種が中止されましたが、ワクチンが改良され、今のところ重い副反応は見られません。



ポリオ
対象年齢 接種年齢 備考
生後3ヶ月-90ヶ月(7歳半)未満 生後3ヶ月-18ヶ月(1歳半) 下痢の場合は延期する。
服用直後に吐き出した場合は再服用する。
通常、春と秋に2回行う。

ポリオ
ポリオは「小児マヒ」とも呼ばれています。ポリオウイルスによって主に四肢に弛緩性麻痺を起こす病気です。
感染しても、大多数の人は、熱や喉の痛みなどの風邪症状で済みます。しかし、症状が重くなると、手足にマヒが残ることがあります。
日本でも昭和34年頃に大流行しましたが、予防接種が行われるようになってからは、発病する人はいなくなりました。しかし、東南アジアなどでは、現在も患者が発生しています。


副反応
ワクチンは弱毒化してありますが、まれに副反応として、腸でワクチンウイルスが増殖するときに、病気を引き起こす強いウイルスに変わってしまうことがあります。そのため、ワクチンを飲んだ子にマヒが起こる副反応が、約50万人に1人、ワクチンを飲んだ子のうんちから他の人に感染する例が日本全体で年間約1例あるといわれています。それ以外の副反応はほとんどありません。




麻疹(はしか)
対象年齢 接種年齢 備考
生後12ヶ月(1歳)-90ヶ月(7歳半)未満 生後12ヶ月(1歳)-24ヶ月(2歳) 1歳を過ぎたらなるべく早く(できれば12-15ヶ月)接種すること。
麻疹
麻疹ウイルスの感染によって起こる急性熱性の感染症で、感染して10-12日後に発病します。
最初、38℃前後の熱とともに、風邪症状が出ます。熱は2-3日続き、いったん、熱が下がったと思ったら、前より高い熱が出て、ほおの内側にコプリック班という特徴的な発疹が出ます。次いで小さい発疹が顔に出て、体から手足へと体中に広がります。熱は3-4日続き、咳・目やにがひどくなります。発病後、1週間くらいが最もつらい時期で、合併症がなければ10-12日で治ります。気管支炎、肺炎、結膜炎などの合併症が起こることもあり、患者の3000人に1人くらいの割合で脳炎を起こし、年間10-50人の死亡者が出ています。麻痺などの後遺症を残すこともあります。


副反応
接種後、1-2週間の間に、約20%の子に発熱と軽い発疹が現れます。これは軽い麻疹にかかったような状態で、普通は2-3日で自然に治ります。まれに熱性けいれん、ごくまれに本物の麻疹のように、中耳炎や肺炎などの合併症が起こったりすることもあります。
脳炎を起こすのは100万-150万人に1人です。気になる症状があるときは受診しましょう!




風疹
対象年齢 接種年齢 備考
生後3ヶ月-90(7歳半)未満
14歳以上

生後12ヶ月(1歳)-36ヶ月(3歳) 幼児は、麻疹接種の後に行うこと。
風疹
風疹ウイルスによって生じる急性の発疹性感染症で、春先から初夏にかけて多くみられます。別名「三日ばしか」といわれるように、小さい子どもがかかると、ほとんどは3日ほどの発熱と、軽い発疹で終わります。
風疹ウイルスは患者の咽頭から排出されて、飛沫感染します。風疹にかかった子は、2000-5000人に1人の割合で脳炎を併発することがあり、3000人に1人くらいの割合で、特発性血小板減少性紫斑病
を起こし、まれに脳内出血を起こすことがあります。
また、妊娠初期-中期の妊婦が感染すると、難聴・心疾患・白内障・精神運動発達遅滞などの障害をもつ先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があります。
出血しやすくなり、針でつついたような出血班が全身に出る病気

副反応
100人に4人くらいの割合で軽い発熱や発疹が出たり、リンパ節が腫れたりすることがありますが、2-3日で治ります。重い副反応はありません。



日本脳炎
対象年齢 接種 備考
1期初回

生後6ヶ月-90(7歳半)ヶ月未満 3歳 第1期で接種間隔があいた場合には、医師と相談する。
1期追加 生後6ヶ月-90(7歳半)ヶ月未満
(1期初回接種後おおむね1年おく)


4歳
2期 9-13歳未満

9歳(小4)
3期 14-15歳

14歳(中2)
日本脳炎
日本脳炎は豚がもっているウイルスをコガタアカイエという蚊が、豚から人間に感染させる脳炎で、人に重い急性脳炎を引き起こします。人から人への感染はなく、豚の体内で増えて、それを蚊が吸血し、その上で人を刺したときに感染します。
東南アジアに多い病気で、ほとんどが不顕性感染ですが、発症すると数日間の高い発熱(38-40℃)、頭痛、嘔吐、けいれんなどを起こします。死亡や後遺症(生存者の45-70%)がみられ、特に幼児や高齢者の死亡率は高く、よい治療法もありません。

予防接種
現在、厚生労働省により、日本脳炎のワクチン接種は控えるように勧告されています。ただし、渡航者や子どもの保護者らが接種を希望した場合は接種できます。
(2004年山梨県内の女子中学生が接種後に重い神経症状になったことを受けた措置)
来年(2006年)には新しい安全なワクチンが出る見通しで、その時点で接種を再開する方針です。





結核予防法
BCG
結核予防法の一部改正に伴い、平成17年4月1日から
①ツベルクリン反応検査がなくなり、BCGワクチン直接接種になります。
②対象年齢が、4歳未満から6ヶ月に変更されます。
結核
結核は、結核菌が肺に感染して、呼吸困難を起こし、全身症状を悪化させる病気です。熱と咳が続きます。
以前は治療法がなく、全身が衰弱して死亡する確率の高い病気でしたが、現在はよい治療薬があるので、早期に発見して適切な治療を受ければ完全に治すことができます。
結核の予防には、感染する前にBCGワクチンを接種することが重要です!BCGワクチンで免疫をつけておけば、発病を大幅に減らすことができ、その効果は10年以上持続します。特に、乳幼児が感染すると、結核性髄膜炎や粟粒結核を起こすことがあり、重症化しやすいようです。できるだけ早い時期(0歳のうち)に接種することが勧められています。


副反応
接種後、2週間-2ヶ月の間に接種した跡が赤く腫れたり、化膿したようにジクジクしたりすることがあります。ほとんどは自然に治ります。しかし、まれに見られる副反応として、脇の下のリンパ節が腫れることがあります。これも、半年くらいの間に消えます。ジクジクして治らないとき、つぶれて膿が出たとき、リンパ節の腫れがひどいときは小児科医に相談しましょう。





任意の予防接種
インフルエンザ
対象年齢 回数 備考
全年齢
特に保育所、幼稚園、小・中学校の児童生徒
2回
(13歳未満)

流行に備えて12月中旬までにすることが望ましい。接種間隔は3-4週間あけることが望ましい。
1-2回
(13歳以上)

インフルエンザ
インフルエンザウイルスによる悪性の風邪で、初冬から春先にかけて毎年流行します。インフルエンザにはA、B、Cの3つの型があり、中でもA香港型やAソ連型などがあり、さらに、その中でも細かく分かれます。
症状は4-7日間の発熱、少し大きい子は喉・頭・筋肉などが痛み、下痢などを起こします。いわゆる重い症状の風邪です。
問題になるのは合併症で、肺炎、気管支炎のほか、脳症、心筋炎、中耳炎などがあります。。ワクチン接種によって、インフルエンザにかかりにくくなるだけでなく、たとえかかっても症状の重症化を抑えることができ、合併症や死亡する危険性を抑えられます。


副反応
副反応はほとんどありません。注射したところが腫れることや、ごくまれに、発熱や頭痛が起こることがあります。
まれに、じんましんや発疹が、極めてまれにショック状態が起こることがあります。卵やゼラチンに強いアレルギーのある人は主治医と相談して受けましょう。




おたふくかぜ
対象年齢 回数 備考
1歳以上の未接種者 1回 副反応は少ないが、まれに接種2-3週間後に一過性の耳下腺腫脹や発熱などがみられることもある。
おたふくかぜ
ムンプスウイルスによる急性ウイルス性の全身性感染症です。患者の唾液が感染源となります。飛沫感染ですが、患者との直接接触や唾液によって間接的にも接触感染します。
感染してから2-3週間たった頃、耳の下から顎にそったあたりの耳下腺が腫れて、痛みます(3-7日持続)。鼻水や咳はありませんが、熱(38度前後で数日程度)は出ることがあります。
知らない間にかかっていたり、重くならないことが多いですが、100人に2人くらいは
無菌性髄膜炎を起こしたり、中には髄膜脳炎を起こして亡くなったり、後遺症を残す人もいます。また、1万人に1人は難聴になっています。
思春期以降感染すると、男の子は睾丸炎を、女の子は卵巣炎を起こすことがあります。

脳を包む髄膜に炎症が起こることで、高熱、頭痛、繰り返す嘔吐などの症状が出ます。



副反応
副反応は普通みられません。
まれに接種後2-3週間後に、軽いおたふくかぜの症状がみられることがあります。無菌性髄膜炎が数千人に1人の割合でみられますが、後遺症はほとんど残りません。
1回の接種での有効率は90%くらいです。また、必ずしも一生の間有効とも限りません。




水痘(みずぼうそう)
対象年齢 回数 備考
1歳以上の未接種者 1回 ときに軽く発疹が出ることがある。

予防接種
水痘
水痘は別名「みずぼうそう」とも呼ばれる水痘・帯状疱疹によって起こる伝染性の強い病気で5歳までに約80%の子どもがかかるといわれています。2-3週間の潜状期のあと、体や頭に水ぶくれができ、全身に広がります。熱を伴わないこともありますが、重いと高熱が続き(発熱は通常38度前後の熱が2-3日続くが、40度を超えることもあります)、治るまでに1-2週間かかります。
多くの場合、それほど重くならないで治りますが、まれに肺炎、肝炎、心膜炎、小脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症を起こすこともあります。また、引っ掻くなどして細菌の二次感染を起こすと水ぶくれの跡が残ったり、長く保育園や幼稚園を休まないといけないことがあるので、防ぎたい病気です。
お母さんからの免疫はあまり有効でなく、生まれてすぐからでもかかります。
また、
妊婦の水痘は重症化するといわれており、出産前3日から出産後2日までに妊婦が発症すると出生児の水痘は重症になるといわれています。


副反応
ゼラチンアレルギーの人以外は、ほとんど副反応はありません。
1回の接種で有効率は80-90%、接種しても数年以内にかかることがありますが、その大部分は軽くすみます。




A型肝炎
対象年齢 回数 接種間隔
16歳以上の未接種者 3回 2-4週間間隔で2回
初回接種後24週後に1回

A型肝炎
A型肝炎は、途上国では一般に存在する感染症で、汚染された飲食物を介して感染し、発熱、全身倦怠感や黄疸がみられ、重症化すると著しく衰弱し、数週間から1ヶ月以上も休養が必要になることがあります。なお慢性化したり死に至ることは極めてまれです。
1992年に安全で効果の高いA型肝炎ワクチンが開発され、日本では、1995年から予防接種が実施されています。予防効果の高いワクチンなので、途上国などへ渡航される方には、接種を勧めています。

A型肝炎ウイルスの感染様式は、糞便に汚染された水や氷、野菜や果物、またカキなどの魚介類を介して、経口的に感染します。
潜伏期間は15~50日、平均28日で、38度以上の急激な発熱から発症し、全身倦怠感、食欲不振、悪心嘔吐、黄疸などがみられます。重症例では、1ヶ月以上の休養が必要なこともあります。一般に小児が感染した場合、成人に比べて全身症状が軽いと言われています。
特異的療法はなく、安静と食事療法が基本です。



B型肝炎
対象者 回数 接種間隔
①母子垂直感染者 3回 生後2,3,5ヶ月
HBs抗原陽性の母親から生まれたHBs陰性の乳児

②ハイリスク者 3回 1ヶ月間隔で2回、その後5-6ヶ月後に1回
医療従事者、腎透析を受けている者など

※ワクチン3回接種1ヶ月後にHBs抗原、抗体検査をしましょう。必要に応じ追加接種を行いましょう。
B型肝炎
B型肝炎ウイルスをもつ者の血液を介してうつります。
B型肝炎ウイルスは、慢性持続性感染を起こし、肝細胞ガン・肝硬変の原因となり得るウイルスです。以前は母親がB型肝炎ウイルスにかかっていると、妊娠中や出産時に母親の血液によって赤ちゃんに感染(母子感染)していましたが、最近では、ガンマグロブリンと予防接種とを組み合わせることで、母親からの感染が防げるようになりました。
海外では、同性愛者、麻薬中毒者間で流行しています。
大人がかかると(約30%の人が急性肝炎として発病する)、肝臓が侵され、黄疸、疲れなどの症状があり、劇症肝炎で亡くなる方もいます。


副反応
副反応は特にありませんが、ゼラチンが入ったものもあるので、ゼラチンも含め強いアレルギー体質の人は医師と相談しましょう。




肺炎球菌ワクチン
接種対象者
回数
2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険のある個人および患者
(過去に肺炎球菌ワクチンを接種していない者)

1回
肺炎球菌
肺炎球菌は肺炎を引き起こす原因として、もっとも頻度の高い細菌で、髄膜炎や小児の中耳炎の原因となります。高齢者や慢性呼吸器疾患などをもつ者は、重い肺炎になりやすいです。肺炎球菌ワクチンの免疫は通常5年以上持続すると考えられていますが、2歳以下の小児に対する効果は低く、小児用としての肺炎球菌ワクチンが開発されているところでです。
また、日本で使用されているもの(23価)は、2回目の接種をすると副反応が強く出ることがあるので、現在のところ再接種はしないことになっています。



黄熱
黄熱
黄熱は蚊によって媒介されるウイルス感染症です。
2000年-2002年にナイジェリア・ブラジル・ペルーなどの国で黄熱が流行しました。

ウイルスを持った蚊(右図:ネッタオシマカ)に吸血されることで感染します。3-6日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、筋肉痛、悪心、嘔吐などを起こします。病気が進むにつれて、出血症状(鼻血、歯肉からの出血、吐血)や蛋白尿が現れます。黄疸は感染初期には軽く、次第に重症となります。死亡率は、流行地の人の場合は5%以下ですが、旅行者などでは50%以上になることがあります。
これといった治療法はなく、対症療法が主となっています。
予防接種
有効な予防接種があるため旅行者が感染することは少なくなりましたが、各種の動物と蚊の間でサイクルが形成されているので、黄熱の撲滅は困難であると言われています。アフリカ、中南米地域の国々を中心に依然として患者発生がみられるので、旅行者は予防接種を受けるなどの注意が必要です!


佐賀大学医学部附属病院 小児科