研究紹介

研究室

神経グループ

もやもや病の発症病態に関する研究

我々は剖検病理所見の免疫組織化学的検討により、もやもや病の病変部の血管では、内皮細胞のバリア機能に異常があり、内膜への細胞診順とヒアルロン酸の蓄積が起こっていることを見出しました。現在、もやもや病患者由来iPS細胞を血管内皮細胞に分化させ機能解析を行っています。

循環器グループ

川崎病に関する循環器グループの研究紹介

1967年川崎富作先生が報告された小児の炎症疾患です。近年は毎年1万人以上の小児が罹患する未だに原因不明の疾患です。当グループではこの疾患について以下の2点について研究を行っています。

1.川崎病とエルシニア感染症の関係の研究

以前よりエルシニア菌感染症で川崎病の症状が見られることがあり、川崎病との関連が指摘されてきました。しかし、菌の検出・培養が困難な細菌であり、これまで検討が十分なされていません。我々は、PCR法の一つであるLAMP法を用いて、患者さんの便からエルシニア菌の検出を行っています。他施設からの検査依頼についても対応しておりますので、当教室もしくはtashirok@cc.saga-u.ac.jpへご連絡ください。

2.川崎病の病態解明

川崎病の病態はいまだ明らかでないところが多く、適切な治療を行うためにも重症度の判断に役立つ臨床検査マーカーの確立が望まれています。我々は、炎症関連物質であるResistin、Fetuin-A、血清アミロイドAの川崎病における変化を検討し学会で報告してきました。これまでの成果踏まえて、川崎病の病態を明らかにする研究に取り組んでいます。

腎泌尿器グループ

先天性腎尿路疾患における新規原因遺伝子の探索研究

低形成腎や異形成腎、閉塞性腎症、逆流性腎症などの先天性腎尿路疾患(CAKUT;Congenital anomalies of kidney and urinary tract)は、本邦小児腎代替療法の40%を占める重要な原因です。これまで約20の原因遺伝子が報告されていますが、実際にCAKUTのある患者さんで遺伝子異常を確認できる頻度は10%未満とされており、CAKUTの原因はいまだ不明な点が多いことが知られています。

我々は、機知の原因遺伝子を含む128の遺伝子異常を否定した、慢性腎臓病(CKD)のあるCAKUTの2家系について、①次世代シークエンサーによるエクソーム解析、②マイクロアレイ解析によるジェノタイピング解析、③これらを統合したバイオインフォマティクス解析(ジェノタイピングからのパラメトリック連鎖解析、エクソームにおける連鎖解析など)を実施し、新規原因遺伝子を探求する研究を行っています

 

 

カッチーくん

【連絡先】
佐賀大学医学部小児科
TEL 0952-34-2313 FAX 0952-34-2064
大塚泰史(ootsuka2@cc.saga-u.ac.jp)

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